Representative Greeting

代表者挨拶

地震を受けて

お知らせ 2016.04.19

社長の髙山です。
4月18日の高千穂町と協議の結果、皆様に2点お知らせがあります。


1.これから1週間前後に高千穂町建設課とあまてらす鉄道合同で天岩戸駅までのトンネル、橋梁、線路の安全点検をします。安全が確認されしだい、高千穂駅・天岩戸駅間の運行を再開する。
したがって、それまでは駅構内のみの運行となります。


2.高千穂橋梁については6月以降の点検となります。これについては専門業者に委託。夏休み開始までに安全確認ができるかどうか微妙なところですが、それまでは高千穂橋梁の運行を休止し、天岩戸駅までの往復運行とします。


以上、ご承知おきください。
いずれにしても、私たちは天候の許すかぎり毎日駅を開け、たとえわずかであっても線路の活用をいたします。同時に枕木交換をはじめとする施設の整備にも努力してまいります。
皆様に安全に、楽しく、高千穂橋梁を渡っていただきたい。今は我慢の時かもしれません。しかしこのような時こそ足腰を盤石なものにする好機とうけとめて、最善を尽くそうと思います。

スタッフよりお知らせ

高千穂町建設課の調査が入るまでの駅構内の走行は、スーパーカートではなくエンジンカート(保線用点検カート)で行います。
連結している2両の車幅が違うため、ポイントを通過する時、1両通過する度に鉄板を敷いたり撤去したりを繰り返さなくてはならないことを配慮しての判断です。
ご理解とご協力を宜しくお願い致します。

スタッフ追記 2016.04.27

大変お待たせいたしました。
5月5日(木)より、高千穂駅~天岩戸駅間往復で仮運行を行うことになりました。
また、9日(月)の午前中は運休となります。
地震後の、社長からのお知らせにもありましたように、高千穂鉄橋の調査は6月以降、専門業者によって行われます。それまでは天岩戸駅までの往復になりますのでご了承ください。

スタッフ追記 2016.05.06

9日午前中に予定しておりました再調査を本日行い、正式に運行することが決定しましたのでお知らせいたします。
そのため、運休を予定していた9日午前中は天候が良ければ通常運行となります。
明日5月7日(土)から、天岩戸駅まで往復運行いたします。
皆様のご来場、心よりお待ちしております。

新年のご挨拶

皆様、明けましておめでとうございます。社長の髙山です。
旧年中はたくさんのお客様にご来場いただきまして、心から感謝申し上げます。旧年1月~12月までの1年間の成績をご報告いたします。
入場24,697人
乗車22,063人
一昨年1年間の成績が入場16,616人、乗車14,663人。なんと入場で8,081人、乗車で7,400人もの増加を記録いたしました。私が社長に就任した8年前のことを考えますと、夢のような出来事です。2万人を超えるお客様を迎えることができるなんて、想像もできない状態だったのです。

ほんとうに皆様のおかげです。ありがとうございます。
高千穂あまてらす鉄道は、今年こそ、乗せてさしあげられなかったお客様をひとりでも多く乗せてさしあげられるよう、新しい取り組みを始めます。そして安全、安心、楽しい体験を皆様に提供できますよう万全を期して頑張ります。
どうぞ今年も遊びにいらしてください。よろしくお願い申し上げます。

社長のあいさつ

新しいご挨拶
                  高千穂あまてらす鉄道株式会社代表取締役
                                 髙山文彦

私たち高千穂あまてらす鉄道は、高千穂鉄道の廃線をうけて、動力なしの木製トロッコを人力で押すのを手始めに、50㏄エンジン搭載の保守点検用カートをささやかながら走らせはじめました。
当面の願いは、昭和47年開通時に「東洋一の高さ」と言われた高千穂橋梁を渡ることでしたが、なかなか許可をもらえず、ようやく昨年(平成25年)夏から渡ることができるようになりました。
車両は、考えたすえに、軽トラック改造の「雲海号」「天空号」の2両を連結。レール幅と軽トラの車軸幅がちょうど合うのです。現在、満車状態で20~24人のお客様を乗せられます。時速は15キロメートルに抑え、ゆっくりと沿線の景色や風や、2本あるトンネル内の涼しさ、気持ちばかりのイルミネーションを楽しんでいただいています。
高千穂駅から高千穂橋梁を越えたところまで往復5キロメートル、約30分の小さな旅です。
橋梁から眺められる新緑の美しさ、珍しい渡り鳥の鳴き声、盛夏のころの燃え立つような万緑、大峡谷からわたって来る風、そしてなんといっても高千穂ならではの独特な連山の景観は、乗られた方々によろこんでいただいています。高千穂駅にもどって来られたときの皆様の顔を見るたびに、私たちはうれしくなります。どの顔も笑顔になっておられるからです。
ああ、あきらめずにやってきてよかった、と胸がいっぱいになります。



平成17年9月の台風被災で、第3セクター方式の高千穂鉄道は復旧を断念、廃線に至りました。地元沿線の復興運動は紆余曲折を経て頓挫。民間で設立された新会社も大株主が撤退を決めるなかで、現在社長をつとめる私を含めた13名の株主のみが残り、継続を模索。その結果、役員をほぼ一新し、社名を現在のものに変えて、新しくスタートさせました。
あの台風から今年で10年目。地元はもとより、遠く県外の方々からも大きな支援と熱い励ましをうけて、どうにかここまでやってくることができました。しかし、私たちの望みはもう少し遠くにあります。高千穂橋梁から先の太平山トンネル(約3キロメートル)をくぐりぬけ、日之影町の深角駅まで運行距離を伸ばしたい。そして、さらに秘境駅として名高かった影待駅を経て、日之影温泉駅まで行きたい。もしこれが実現できれば、地元雇用の拡大も夢ではないと思います。
まだまだ困難が目のまえにたくさん横たわっています。私たちはあきらめず、高千穂、日之影両町の理解と協力を得られるよう努力してまいります。

橋梁越えができるようになって、いきなりたくさんのお客様にご来場いただくようになりました。こうして橋梁越えが日常化してきますと、ずっと以前からそうであったように思われてしまうきらいがあります。けっして、そうではありませんでした。骨がきしむような苦しい時期がつづきました。
でも、いまは違います。やっと「正常化」したのです。
私たちはもう、過去の苦労話で自分たちのいたらなさを許していただくわけにはいきません。意地と志に寸分の揺らぎもありませんが、むかしから橋梁越えをしてきたように皆様をお迎えすることができるよう、私たち自身も「正常化」への努力を怠りなくしていきたいと思います。
皆様にお願いします。どうか忌憚ないご意見を、どしどしお寄せください。

                             平成26年7月15日

新しい地平を切り拓きたい

 12月28日、私たちの高千穂線は全線廃止を迎えます。そして同日をもって廃止区間がそれぞれ高千穂、日之影の2町に譲り渡され、町民の財産となります。私たち高千穂あまてらす鉄道(株)は、これまで訴えてきたこと(鉄道公園の実現)を、高千穂町内のみならず広く町外の方々の理解と協力を得ながら、これからも進めていきたいと考えています。

 私は中学3年のとき、高千穂駅の開通を迎えました。それから平成17年9月に台風が来るまで、たびたび高千穂線に乗ってきました。高千穂高校生になってから、列車に乗らなくても、ときどき高千穂駅に行きました。レールに耳をあて、音を聞きながら、この線路は東京までつながっているんだ、この線路に乗っかれば東京に行けるんだ、と田舎の少年らしく希望に胸をふくらませました。
 廃止が決まったからといって、肩を落とすことはありません。すでに全線廃止は日程にのぼっていたことであり、今日からほんとうの意味での地域の力が発揮されなければならないと思います。
 イギリスの湖水地方では、レールの幅を40センチに縮小して、小さな蒸気機関車をあつらえて、地元の人びとが走らせています。線路はひとつではありません。いくつもあります。そこには世界中から、たくさんの観光客が来ています。
 日本一の赤字ローカル線と言われた北海道の美深では、廃止後13年もたって、地元の人たちが木製の4人乗りのトロッコをつくり、いまでは20輌あまりの車輌が走っています。地域おこしの目玉になっています。
 日之影町は譲渡された区間を公園化して活用しようと、町ぐるみで動きはじめています。高千穂町には役場に跡地活用検討委員会ができ、町議会にも町議全員参加の特別委員会が設けられ、どのような活用が可能かの検討がはじまっています。
 私たち高千穂あまてらす鉄道も、平成20年新春から、公園化の実現についてさまざまなイベントを通じて皆様に訴えてまいりました。役場の検討委員会にも事業概要(案)をすでに説明し、2009年新春には町議会の特別委員会にも説明にあがる予定です。特別委員会への説明が終わったら、皆様にも広く知っていただこうと考えています。
 この事業概要(案)は、ささやかな規模のものです。できることから始めようと、最低限の資金と人数と手間を提案するものです。現段階では高千穂・天岩戸駅間の2.1㎞に遊具程度の乗り物さえ走らせられないとの判断があるようなので、それなら高千穂駅構内の人の目が届く範囲内での走行ぐらいならできないかと、考えているところです。
 なんといっても最大の魅力は、東洋一の高さを誇る高千穂鉄橋ですが、この活用については、残念ながら行政は消極的かもしれません。将来の撤去費用を積み立てる基金を創設し、それによって撤去を行おうというのが現在の考えのようです。
 しかし鉄道記念公園の目玉となるものは、あの断崖絶壁の上に架けられた長大な鉄橋ということは疑いをいれません。撤去より活用の途を追求したい。車輌を走らせられないのなら、歩いて渡ってもらえないか。この山岳地帯にこのような鉄橋を架けた先人達の一大事業を後世に伝えるために、たとえば「鉄道遺産」として保存のための補助が得られないか。
 高千穂駅や天岩戸駅構内の活用についてもいろいろと考えていますが、この鉄道記念公園の実現は、農林商工すべての業種にたずさわる方々の力を結集しなければできません。
 世界恐慌の状況すら呈してきた現在、いままでのような既成の発想や考え方では人は生き抜いていけなくなりました。しかし私たちの地域には、貧しくても苦しくても山と渓谷に腹をこすりつけて生き抜いてきた知恵と経験があります。ねばり強い草の根の、しぶとさがあります。それは自助と互助の精神にあらわれています。安易に多数決に依りかからぬ「寄り合いの精神」が、それではないかと思います。これを「草魂」と呼びます。
 ボールはできるだけ遠いところへ投げたい。近くに投げてしまえば、そこへ行った気になって、探しに行こうとしないから。志ひとつで生きろ、とは言いません。ですが、そこへ行きたいと願わなければ、はじめの一歩さえ踏み出せないのも事実でしょう。
 すぐにできるとは思いません。2年、3年かかるかもしれません。耐えるときは耐え、辛抱し、しかし、できることはすぐにする。投げたボールの方角を見失わないように、自分たちの願望はどこにあるのか、しっかりと見据えながら。
 私たちは支援者の皆様とともに、また遠く見守ってくださる皆様とともに、新しい地平を切り拓いていきたいと思います。高千穂線は失われましたが、12月23日、高千穂駅に集まってくださった方々の高千穂線への感謝のこころは、きっとこれから私たちにつづいてくれるであろう子孫たちに伝わったと思います。
 どうか今後とも私たちの熱望と努力にご理解いただき、さらなるご支援をいただきたいと、心からお願い申しあげます。

社長就任ご挨拶

代表取締役社長
工藤雅康 (作家・高山文彦)

この度、1月19日の神話高千穂トロッコ鉄道(株)取締役会で代表取締役に選任されました工藤雅康(作家・高山文彦)です。

先の14号台風で故郷の山が崩れ、川が暴れ、五ヶ瀬川流域の街や里が壊れていったとき、私たちは、じっとしていられませんでした。寸断された高千穂線の復旧支援を故郷の仲間たちと続けてまいりましたが、ついに廃線の申請がなされてしまいました。

私たちが、高千穂線の復旧を求めたのは、この疲れた山や川や海を復興し、健全な山、川、海をつなぐ象徴として鉄道を走らせたい。生命の鉄道として再建したいという一念でした。
私たち新役員は、希望を捨てておりません。高千穂線復活に取り組んでいきます。それは山を、川を、海を、街を、里を、命を守り育てることと同じです。
代表取締役を引き受けたのは、わずかに残された希望があるからです。本来の望ましい全線復旧という夢の実現に向かって、可能なところから、力強く、また柔軟に、育てていかなければ「五ヶ瀬川宇宙」は亡んでしまうという、やむにやまれぬ思いからです。どうか今後ともご支援賜わりますようお願い申し上げます。

株主総会の報告及び支援金のお取り扱いについて

新聞報道等でご存知のとおり、第3セクターTR高千穂鉄道株式会社(以下TRと省略)は、平成19年12月27日をもって、高千穂駅から槙峰駅間の廃止申請を国交省に届け出ました。今後、最長1年間の猶予期間を経て、廃止が確定されます。

平成18年3月に、高千穂線復活を目指して設立した当神話高千穂トロッコ鉄道株式会社(以下〔トロッコ社〕と省略)は、以来TRの事業を引継ぐ第一種鉄道事業者としての認可を取得すべく事業計画を策定して、国交省をはじめ、九州運輸局、宮崎県、沿線自治体、TRとの協議を進めてまいりました。

しかし、当局より指摘されておりました、中・長期間にわたる事業計画の妥当性と資金力の裏付け不足を解消する抜本的な改善策を見出せぬまま、廃止申請の日を迎えました。支援者の皆様のご期待に応えられず、誠に申し訳なく思っております。

TRの全線廃線申請を機に、トロッコ社の大株主である高千穂観光協会をはじめとする15の団体・企業・個人の株主がトロッコ社より撤退を決めました。残り13の株主は会社の姿勢を一新して、沿線自治体・住民の皆様、全国の支援者の皆様と共に、高千穂線の復活を目指してより活動してゆく所存です。

新プラン

1.鉄道の公園化
清算されるTRから鉄道資産が沿線自治体へ譲渡された後、高千穂駅から天岩戸駅を経て高千穂橋梁までの間(約3km)を高千穂町議会に鉄道公園としての認定を申請。

2.神話高千穂トロッコ鉄道社の指定管理者認定
トロッコ社を高千穂町の鉄道公園指定管理者として指名していただく。

3.列車の運行再開
上記限定区間を公園内遊具としてトロッコ列車を低速で走らせ、旅行・観光関連業者と連繋し、観光新スポットへの集客を図る。

4.株式の公募・増資
実際に運行を開始した後、株式を公募して増資を図る。

5.日之影温泉駅までの延伸
高千穂線の高千穂駅を中心に、列車内、沿線で様々なイベントを展開。トロッコ列車の魅力を増して、さらに実績を挙げ、会社の資金面の充実を図る。そして高千穂線を日之影温泉駅まで延伸。

6.将来的な全線復活
全線復活プランを策定して、国土交通省へ特定目的鉄道、または第一種鉄道事業者の申請を行い、全線復活を目指す。

以上が基本方針でございます。

事業完成期間は未定ですが、まず「1」をつくり、着実に次の「2」を、そして「3」をと延伸していく方法を採ってまいります。 既に同様の取組みにより、国内で複数箇所が『公園内鉄道』として復活しています。先進地と連繋交流しながら、誇りある地方鉄道として高千穂線の復活を目指します。

私たちは諦めず取組んでまいります。国内外の価値の高い高千穂線を終わらせては末代まで悔いを残します。 どうか今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。